武藤岳夫
薬物問題に関連する機関は、司法、医療、福祉など多岐にわたりますが、どの機関においても支援や対策を考える上では、今や必ずと言っていいほどダルクの名前が出てくると思います。それほどまでに、わが国の薬物対策においてはダルクの役割は大きなものになっています。
「ダルク」と名のつく施設は現在全国60か所以上存在しますが、実は全国のダルクを統括する組織は存在せず、それぞれの施設は当事者自身で独立して運営され、特色あるプログラムや講演・メッセージ、相談など多彩な活動を展開しています。
政策や制約に縛られることなく、当事者活動を中心にしてきたことが、ダルクが全国に広まり、社会に受け入れられる要因であったとは思いますが、その分何の後ろ盾もなく、どの施設も経済面をはじめ様々な面で苦労していると伝え聞きます。
そこで、ダルクのある各地域には、関係機関や家族を中心として、ダルクの活動の普及啓発や経済的支援を行う、「支援する会」が存在しています。
佐賀にも2年前の10月からダルクが開設されていますが、「佐賀にはダルクはないのですか?」と聞かれることが未だにあるほど、その存在はあまり知られていませんでした。
また佐賀においては、ダルクという名前は知っていても、その活動が一般にはほとんど知られていない上、薬物問題が身近にあることすらあまり知られておらず、本当に助けを必要としている人にきちんと情報が伝わっていない現状にあると思われます。
当然そのような現状では、回復を目指す入寮者が増えないばかりか、スタッフの給料や移動のためのガソリン代さえも十分に賄えず、活動に支障をきたす危機的状況になることもしばしばであったようです。
そこで佐賀においても、他地域にならい、佐賀ダルクの実施する事業の啓発と普及を促進し、併せて経済面での支援を目的として、有志にお声かけして今年7月に「佐賀ダルクを支援する会」開設に至りました。
現在、月に一回定例の会を開いておりますが、さしあたっての切迫した問題は何と言っても「資金の安定的確保」です。
一人でも多くの方に、この会の趣旨にご賛同いただき、会員となっていただきたく存じますが、まずは佐賀ダルクと支援する会協同の活動第一弾として、「薬物依存症回復支援セミナー」を開催することに致しました。
当事者・医師・弁護士・家族、それぞれから見た薬物関連問題について、講演や体験談等を予定しておりますので、薬物問題からの回復や支援を考えるためのヒントとしていただき、同時にわれわれの活動をご理解いただく一助となればと思います。
よろしくお願いいたします。
団野克己
佐賀ダルクを支援する会のメンバー団野です。支援する会の副会長です。
佐賀県弁護士会・刑事弁護委員会の平成24年度委員長をしています。
薬物問題は,これまで刑事弁護の関係で関与していました。
これまでは薬物依存からの脱出という視点から,ダルクの活動を見てきましたが,これからは支援する会という立場で関わっていくつもりです。
支援する会では,毎月1回程度集会(ミーティング)を開き,約2時間,支援する会の話し合いを行っています。医師,保健師,当事者,当事者のご家族,市町職員,弁護士ら数名ですが,みなさんダルクのことをよく理解されていて,とても心強いです。
支援する会の人と人のつながりは,参加者の利害を超えていて,たいへん実のある時間だとおもます。
薬物問題は,ときおり新聞などマミコミでとりあげられますが,社会的に関心が高いというわけではないとおもいます。
薬物に依存する状態は,一般市民からは,きわめて例外的なことだと理解されていますし,一般の市民には関係がない。どんな問題もそうですが,自分に直接体験がないとか,家族など身内にもそのような人がいないとなると,関心が薄いというのもやむを得ないかも知れません。
しかし,社会の問題として関心を高めることは必要ですし,たいへん重要なことです。
例え,身近に薬物依存の人がいないとしても,現実に社会問題となっているわけですし,脱法ドラッグなどはネットでも購入できますから,いつ,なんどき,家族など近親者に薬物依存の人がでてくるかもしれません。
その確率は高いのですから,身近な問題となった後では遅いと思います。
私はいま,支援する会でダルクの活動の悩みなどの話しを聞かせてもらっています。確かに,薬物依存からの脱出といっても,その過程はたいへんなことだらけだとおもいます。私に出来ることはなんだろうかと思ったりもしますが,できる限りのことをさせていただければと思い,これからも関わっていきたいと思います。
佐賀DARCをいつもご支援くださり、ありがとうございます。苦しんでいる依存症者に、回復のチャンスと場を提供していくため、みなさまの資金的なご支援が必要です。ご支援、ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。
入寮施設での食糧(コメ、調味料、油、コーヒー、砂糖)、日用品(洗剤、タオル、シャンプー、リンス、せっけん)の献品も引き続き募っています。
※原則として、郵便局で受け取る振込金受領票の写しを以て領収書に代えさせていただきます。
郵便振替
口座番号 :01750-9-123470
加入者名 :佐賀ダルクを支援する会
佐賀DARC